1 12月某日 この日の昼休み、輝也は甘い匂いの立ち込める学校の家庭科室を覗いてみた。そこにはパーティーのケーキを作っている中林杏奈(女子12番)の姿があった。 「ジングルベール ジングルベール 鈴がー鳴るー 森にー林にー響きながらー♪」 と楽しげに歌いながら。彼女の趣味はお菓子作りである。彼女は将来ケーキ屋になりたいという。楽しく仕事できるのはいいことだ。輝也と違って作るのが上手いし。実は輝也、去年の家庭科の調理実習の時に大爆発を起こしてしまったのだ。あの時は電子レンジが壊れて大変だった。幸い怪我した者はいなかったが… 「おい、輝也!」 と不意にトーンの低めの声が聞こえた。 「あれ?唐さんも見に来たのか?甫も正志も…」 因みに唐さんというのは財津公太(男子7番)のあだ名である。なぜ唐さんなのかというと公太は中国拳法ことカンフーをやっているのだ。中国の昔の名前の唐をとって唐さんというあだ名ができたのだ。 「もしかして輝也、中林を後ろから襲って犯っちゃおうとか思ってんじゃないのかぁ〜?」 と甫は輝也をからかいながら言う。 「そんな訳ねぇだろバカがぁ〜!!!!!」 と輝也は顔を赤くして甫を追いかけ回す。 「おいおい冗談に決まってるじゃん輝也〜」 と甫は逃げながら言う。 「冗談きついぜお前!」 と輝也は甫を捕まえて言う。 「おいおい、騒ぐのはクリスマスパーティーの時にしようぜ?」 「それもそうだな。」と2人は頷く。 そう4人が騒いでいた時だった。 「あ、窪山君。このケーキおいしそうでしょ。」 杏奈がしゃべりかけてきた。 「本当に?ありがとう。ウフフ。」と杏奈は照れ笑いをした。 「じゃあ今日のパーティーでそのケーキを食う時を楽しみにするよ。」と4人は言い、去った。
2 6時間目、佐々木麗子先生はこの時間をパーティーの準備時間にした。 「先生!今から何か買いに行ってもいいんですか?」 と同人少女・畠野遙(女子15番)は質問した。すると先生は 「はい、もちろんかまいません。」 と答えた。遙のことだ。何か漫画かなんかの飾りが欲しいんだろう。 先生は3日前、宝くじで100万円を当てたのだ。今教室にいる生徒にはそのことは話した。あと買い物に行く際にはお金を渡すことと残りの生徒の仕事のことを話した。教室にいないのはギャングとつるんでいて凶悪無比な大芦暁(男子2番)・動きがトロトロもさもさしてるために不良たちにいつもいじめられ、パシリにされている鹿沼諒介(男子4番)・不良で成績が悪く、先生によく目をつけられているがさほど悪いやつではなくこのクラスにまあまあ馴染めている成沢烈(男子13番)・遊び人のナンパ師で髪の毛が真っ赤っ赤な角田朱雀(男子3番)・同じく遊び人で遊ぶことなら何でも拒まぬ須藤賢刻(男子9番)・遊び人のリーダー格で容姿端麗な茂木海馬(男子17番)・遊び人見習の森岐春人(男子18番)・ピンク色のめがねをかけていて乙女チックな遊び人の麻田歌(女子1番)・家がお金持ちな遊び人の椎本湯女(女子9番)・遊び人女子リーダー格で髪の毛を桃色に染めている天色さよ(女子11番)・髪を膝ぐらいまで伸ばしている遊び人の柳館儚(女子21番)・女子不良3人組(このグループはリーダーの月野美子(女子10番)とその取り巻きの浦島由起子(女子3番)・緋村杞襟(女子16番)の3人で組成されている)、ハープを弾いている萌黄朱音(女子18番)・中林杏奈(女子12番)の16人である。 「先生、僕は水紀と飾り作りをします。」と。 貴充と楜沢水紀(女子5番)の2人はクラス公認のカップルだ。飾り作りはこの2人で始められ、貴充の無二の親友でこのクラス屈指の善人・津久井准平(男子12番)とヒステリックな根来塔子(女子14番)としとやかで美人な前山茄子(なこ/女子17番)と身長147cmしかないマスコット少女・森谷鳥(女子19番)で絵を描き始めた。クラスのお笑い代表でとても親しみやすい性格の沢村祐二(男子8番)はパーティーを盛り上げるためのグッズ、クラス1の巨漢で老け顔をした剣道の達人の田中孝明(男子11番)とその弟子分の星桂一(男子15番)は抹茶を(おいおい、クリスマスも抹茶かよジジイ侍はよーと窪山輝也(男子6番)は思ったが)、お茶目な感じの和風少女・八木槙穂(女子20番)はキャンドル、日本人形のような外見でのんびりした性格の美人の夷森美和(女子4番)は花を買いに行った。一方輝也達4人は大阪人・安西ゆかり(女子2番)・ボーイッシュで活発な小西夏夜(女子6番)・松本甫(男子16番)の想い人であり、彼の世話を焼いていて、良いスタイル・ぱっちりした瞳・ショートヘアーのさらさらした髪が特徴の魅力的な女の子の桜庭千紗都(女子8番)・女子委員長でしっかり者、2箇所縛った髪の毛がトレードマークの元気一杯な新田魔未(女子13番)とスーパーマーケットへ買い物に行く話をしている。 「じゃあスーパーへ急ごうぜ」と輝也。 「クリスマスなら七面鳥食べたいよね」と夏夜。 「まあ色々と買おうじゃないか。」と夕張正志(男子20番)。 「そやなー。バーンと高価な物買わへん?先生今ごっつうお金持ってるみたいやし。」とゆかり。 「あと肉まんも食いたいな」と財津公太(男子7番)。 「シャンパンも忘れちゃダメよ。」と魔未。 「ならアルコール多めのシャンパンで千紗都を酔わせて抱きつかせよ!」と甫。 「もー、変なこと考えるんだから〜。」と千紗都。 そして8人はスーパーへと向かった。 「野口!人の邪魔ばかりしてんじゃないよ!」 しかし、康利は逆ギレした。 「あん!?このクソアマは女の分際でいい気になってんじゃねーよ。リンチしてぶっ殺すぞ!だいたい女なんて物は男にはいはいと従ってりゃあいいんだよ、バーカ!」 塔子は怒りのあまり黙り込んでしまった。
3 準備も終わり、今はパーティー開始の15分前の17時45分となった。しかし、1人パーティーに参加できなくなってしまった生徒がいた。それは津久井准平(男子12番)である。彼は理由を皆に話した。 「俺、本当はパーティーに参加したいんだけど…実は俺の義父さんが輸血が必要になったからそっちに行かなければならなくなったんだ。本当にゴメン!」と そして去って行った。 「カスの分際でクリスマスパーティーなんかに参加する権利があるとでも思ってんのかコラ!」 暁は震える諒介の腹を思いっきり蹴飛ばした。諒介はその場で立ちながら咳き込んだ。暁の後を諒介ものろのろと追っていった。 「どんなんだったか教えてくれよな。」 と言い残し、肉まん3個だけを持って去って行った。公太はいつも数珠を身に付けているのでわかる。 「俺、ついゲームに夢中になり過ぎてやるべきことを忘れたから参加資格ねーんだよ。本当は準備しようと思ってたんだけど…」と裁矢。 「俺もつい寝てばかりでやることもやらなかったから裁矢と同じだ」と謙路。 この2人の会話を聞いていたのか、サンタの姿に着替えた新田魔未(女子13番)は 「あなたたち、本当はやる気あったのね?でも2人とも夢中になり過ぎたことがあってそれを忘れてしまった訳なのね。わかった。今回は許したげるわ。今度からは気をつけてよね。」 と言い、2人の参加を許したのだ。謙路も裁矢も今回サボったことを心から反省したのだ。 「俺は偉いから邪魔ばかりしてても参加が許されるんだよ。川嶋とか関山みてーな腑抜けとは違ってな!」 この一言にみんなは反感を買った。 「なんなのよあんたは!ふざけるのもいい加減にしなさい!川嶋とか関山はサボったことを反省したんだよ。それにひきかえお前は反省の色1つない…」 根来塔子(女子14番)は怒りを露にした。みんなの代表で。そして塔子は康利にかばんを投げつけた。康利は呻き声を上げた。 「バカ・チビ・デブ・ろくでなし・死ね・ウイルス・下衆野郎・消え去れ」 などと皆は康利に罵声を浴びせた。すると康利は、 「はん、貴様らみてえなクズといたら脳みそが腐るんだよ!」 などと言い、その部屋の扉に痰をプッと吐いた後に蹴飛ばし、去って行った。 「クリスマスぐらい酒飲んぢまおーぜ!」 と言った。みんなは賛成する。 「もういよいよパーティーの始まりだぞ!」 と嬉さで声を震わせながら話し掛けた。 「そうだ、甫。このパーティーでお前は千紗都にかっこいいとこを見せてハートをゲットしたれよ!」 と輝也は甫に返す。桜庭千紗都(女子8番)は花を持ちながらその花を見つめていた。
パーティーは始まった。 「これはあくまでもマジックです。皆さんは決して真似をしてはいけません。」 とみんなに言った。さよは何もなかったかのように(実際、さよには何もなかったが)元気である。 「わかった、ち、千紗都だろ〜♪」 と。その顔は少し紅潮していた。千紗都は 「正解。あったしだったのよ。」 と答える。甫は[生きててよかったぜ]と思いながら幸せの絶頂に立った気分に浸った。 「このケーキ、めちゃうまじゃん!」 と角田朱雀(男子3番)は叫んだ。ケーキを作った中林杏奈(女子12番)は感激した。
関山裁矢「これを機にゲームのやり過ぎには注意しよう」 |
バトロワマン様より、クリスマスSSでした。。ありがとうございました!
すごいですね、クラスメイトをちゃんと細かく設定してますね!
バレンタインもあるそうです、楽しみですね☆